最近やっと完成した自分のSR400。

一年前に、不動車のボロボロだったSR400を買取ってから

仕事の合間にコツコツ修理とカスタムをし、ようやく乗れるようになった一台は

思い入れのある一台に仕上がった。

地図を見ながらツーリングの行先を思案していると

スタッフの一人が、仲間に入れてほしそうな目でこちらを見ている。

ド〇クエのような状況に笑いそうになりながら、一緒に旅に出かける事になった。

ツーリングの朝は、少し特別な時間だ。

集合場所は、いつものマクドナルド。

僕のツーリングは、たいていここから始まる。

出発前に朝マックを頬張りながら、コーヒーを飲むこのひとときが

僕にとってはちょうどいい“準備運動”になる。

今日の目的地は【三重県・焼肉一番】

目的地だけは前から決めていたが、ルートはまだ未定。

朝の気分で決めるぐらいが、ちょうどいい。

天気も上々。今日は、SR400の慣らし運転も兼ねたロングライドだ。

大阪からだと、ルートの選び方にもよるが、三重の「焼肉一番」までは往復でおよそ300kmほど。

ツーリングとしては長すぎず短すぎず、バイクを楽しむにはちょうどいい距離だ。

この店の焼肉が、まぁとにかく絶品で――。

昔は、よくここを目的地にして、朝から走っては昼にどっさり焼肉を食べたものだ。

思い出補正もあるのかもしれないが、それを差し引いても間違いなく美味い。

だからこそ、いずれは当店のショップツーリングでもこの店を目的地にしたい

という思いはずっとある。

ただ、悩ましいのはその“人数”だ。

ショップのツーリングとなるとどうしても台数が多くなる。

駐車スペースの都合や、お店のキャパを考えると、なかなか気軽には設定しづらい場所でもある。

それが少し、もどかしい。

けれど、それでも「ぜひ一度食べてほしい」と思わせてくれる店なのだ。

ソロでもいい、仲間とでもいい。

気になった方はぜひ、天気のいい日にバイクを走らせて訪れてみてほしい。

きっと、走った距離を後悔しない味がそこにある。

店に入ると、まず目に入るのは昔ながらのガスロースター。

煙をまといながら、じっくり肉を焼いていくスタイルがたまらなく食欲をそそる。

炭火もいいが、ここ店にはこのガスロースターがよく似合う。

テーブルには、大盛ご飯に味噌汁。

そしてメインは、三重・松阪名物の鶏焼き肉だ。

新鮮な鶏肉を濃厚な味噌ダレにしっかり絡めてロースターの上で焼く。

ジュウッという音とともに立ちのぼる香りが、空腹を直撃する。

ツーリングで疲れた体に、この濃い味が堪らない。

今回のお供はうちの若いスタッフ。

見ていて気持ちがいいほどよく食べる。

自分も今年で40歳。

「まだまだ若いもんには負けられん」と、気合いで肉にかぶりついた。

腹の中まで味噌ダレが染みわたるような満足感に、思わず笑みがこぼれる。

二人でしっかりお腹を満たしたあとは、少し休憩しながら帰り道を考える。

来た道をそのまま戻るのも悪くはないけれど、せっかく三重まで来たのだから――。

地図を眺めていると、ふと気になるワードが目に入った。

「生ドーナツ」。

その瞬間、なぜか“スイッチ”が入った。

濃い味噌ダレのあとには甘いものが欲しくなる。

若い頃はそんなことなかったのに

歳を重ねてからというもの、甘いものの誘惑にめっぽう弱い。

「おっさんでも、甘いものぐらい食べたい日がある」

そんなことを自分に言い聞かせながら、バイクにまたがった。

エンジンの鼓動が、満腹の腹に響く。

そして辿り着いたのが、地図で見つけた「生ドーナツ」の店。

どこか洒落た雰囲気の外観に、一瞬「場違いかな」と思いながらも

ここまで来たらもう引き返せない。

正直、名前だけではあまり期待していなかった。

「ドーナツでしょ?」くらいの気持ちだったのに

一口食べた瞬間に思わず二人で言葉が漏れた。

「……旨い。」

柔らかいというか、しっとりというか。

揚げ菓子のはずなのに、重さを感じさせない軽やかさ

口に入れた瞬間に広がる優しい甘みと、絶妙食感。

確かにこれは「生」と呼びたくなる。

普通のドーナツと何がどう違うのか――

自分の語彙力ではうまく説明できないけれど、ひとつ言えるのは

これは一度食べてみる価値あるということだ。

焼肉で満たされた腹に、甘いものがするりと収まる不思議。

帰り道の満足感は、もしかしたらこの一個のドーナツが完成させてくれたのかもしれない。

僕のツーリングには、いつも二つの目標がある。

一つ目は「旨いものを食うこと」。

そしてもう一つは「温泉で癒されること」。

理想を言えば、どちらも叶えたい。

でも少なくともどちらか一つは企画に組み込むようにしている。

今回のツーリングは、完全に“旨いもの重視”。

三重の焼肉が主役で、温泉の予定はなかった。

……はずだったのだが。

「生ドーナツ」の店は道の駅・飯高に併設されているのだが

よく見ると、ここには温泉施設が併設されているという。

「これは行けということか…?」

腹も満たされて、デザートも済んで、体はもう“整う”準備万端

こうなったら入るしかない。

40歳のたるんだ体でよければこちらに写真を掲載したいのだが

今回はYSPの正式なブログなので

顔はめパネルで我慢頂きたい(汗)

肝心の温泉はというと、これが思った以上に良かった。

湯加減も、雰囲気も、疲れた体にじんわり染みるちょうどいい塩梅。

食後にこんなご褒美が待っているなんて、思ってもみなかった。

こういう“予定外の出会い”があるから、ツーリングはやめられない。

目的を果たした僕らは、満ち足りた気分でゆっくりと帰路についた。